RisuMail AntiVirus

概要

RisuMail AntiVirus はメールサーバにインストールして使用するソフトウェアで、本製品を利用することにより、送受信されるメールがウィルスに感染していないか検知できるようになります。

背景

RisuMail AntiVirus は、オープンソースのアンチウィルスエンジンである ClamAV や AMaViS New をパッケージ化したものです。以前からリスメールチームのメンバーで本ソフトウェアの使用と評価を行っていましたが、商用製品に比べても遜色のない、非常に高いウィルス検知率であった為、製品として販売することに致しました。

現在では、安定した動作や品質の高いメンテナンスなどから、リスメールチームが保守を行っているユーザの環境を保護する上で欠かせないソフトウェアとなっています。RisuMail AntiVirus は、手頃な価格で安定したアンチウィルス機能を提供できるため、RisuMail Server をお使いの方だけでなく、少しでも多くのユーザの皆様にお使い頂きたいとの思いから、このたび単独の製品として、販売を開始致しました。

実績

RisuMail AntiVirus の中核となるのは、実際にウィルスの検知を行うアンチウィルスエンジンで、Clam AntiVirus (ClamAV) というオープンソースソフトウェアを採用しています。数年前まで、アンチウィルスエンジンがオープンソースソフトウェアの開発モデルで提供できるとは、一般的には考えられていませんでした。しかし ClamAV が登場し、安定したメンテナンスが行われるようになったことで、その認識が変わりつつあります。

ClamAV では、新しいウィルスを発見した一般ユーザの報告を基に、ウィルスデータベースを更新しています。ユーザはウィルスを、ウェブインタフェース経由で ClamAV の開発チームに報告し、それを受けて一日に数回ほどアンチウィルスの署名(又はパターンファイル)のデータベースが更新されます。また、こうして更新された同ソフトウェアは、ユーザサイトにインストールされたメールサーバで自動的に更新されます。

ClamAV は、世界中で多くの企業や教育機関などで使用されています。詳細については http://www.clamav.net/をご参照下さい。

RisuMail AntiVirus9万以上のウィルスを検知します。

SelfCheck: Database modification detected. Forcing reload.

Reading databases from /var/clamav

Now protecting against 90996 viruses

技術的な概要

ClamAV は GPL ライセンスを採用するオープンソースソフトウェアで、Tomasz Kojm, Luca Gibelli, Diego d'Ambra, Christoph Cordes をはじめとするプロジェクトチーム (http://sourceforge.net/projects/clamav/) によって開発されています。以下は ClamAV の主な機能です。

  • コマンドラインスキャナー
  • 高速マルチスレッドデーモン
  • デジタル署名対応のデータベース更新機能
  • ウィルススキャナーの C ライブラリ
  • アクセス時のスキャン機能 (Linux and FreeBSD)
  • 34,000 以上のウィルス、ワーム、トロイの木馬
  • RAR (2.0), Zip, Gzip, Bzip2, Tar, MS OLE2, MS Cabinet files, MS CHM (Compressed HTML), MS SZDD などのファイル形式に標準対応
  • mbox, Maildir と生 (未加工) メールファイルに標準対応
  • UPX, FSG, 又は Petite で圧縮された Portable Executable ファイルに標準対応

(http://www.clamav.net/ より一部引用)

amavisd-new は MTA (インターネット内で電子メールを配信するソフトウェア) と内容を検査するソフトウェア、すなわちウィルススキャナや (迷惑メールなどの内容をチェックする) SpamAssassin との高性能インタフェースです。保守性のために Perl で書かれ、しかも高速性を保ちます。内部プログラムを使用し、(E) SMTP 又は LMTP を経由で MTA と対話します。Postfix との組み合わせにより最も高いパフォーマンスを実現することができますが、Sendmail との使用や Exim v4 との組み合わせも可能です。(http://www.ijs.si/software/amavisd/ より一部引用)

パッケージ一覧 [機能: ソフトウェア名 (RPM パッケージ名)]

  • アンチウィルスエンジン: Clam AntiVirus (clamav)
  • アンチウィルスエンジン間メールサーバインタフェース: AMaViS New (amavisd-new)
  • Perl モジュール各種: CPAN Perl Modules (perl-Test-Simple, perl-Digest-SHA1, perl-Net-DNS など)

必要な環境

RisuMail AntiVirus は数多くの OS で使用可能ですが、リスメールチームが推奨又はサポートする環境は下記の通りです。

サポートOS バージョン
Red Hat Enterprise Linux 6 (Server, Client)
5 (Server, Client)
4 (ES, AS, 他)
3 (ES, AS, 他)
2.1 (ES, AS, 他)
Fedora 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21
Fedora Core 1, 2, 3, 4, 5, 6

※ メールサーバ: 2012年01月17日現在、リスメールチームが RisuMail AntiVirus によってサポートしているメールサーバーは Postfix のみです。

ライセンス体系

一般にゲートウェイのアンチウィルスソフトウェアはユーザ単位のライセンスを採用しているため、使用するユーザ数に比例する価格体系になっています。しかし、RisuMail AntiVirus のライセンスは、RisuMail、RisuMail Server と同様にサーバライセンス(サーバ1台に1ライセンス)となっており、ユーザ数は無制限であるため、一人あたりの計算では極めて手頃なアンチウィルスソリューションとなります。

動作環境

RisuMail AntiVirus の動作環境は、こちらをご覧下さい。